まくはりデッセ

まくびーくんと一緒に出かけよう まくさんぽ 第1回 
    工場を見学しよう!

ぼくの名前はまくびーくん。
ぼくの仕事は世界中のみんなを幸せにすること。
みんなの笑顔を見ることがやめられないし止まらないんだよ。

妖精の姿だと音速で飛んでるから、人間のみんなと触れ合えなかったんだ。
でもゆりこおねえさんに出会って体をもらってから、この世界でみんなと実際に触れ合うことができるようになったんだ。

ゆりこおねえさんはコンタクトレンズを着けたまま眼鏡をかけていたり、エレベーターのボタンを押さずに待っていたり、たまに抜けてる行動をするんだ。

そういうときは、ツッコミを入れたくなっちゃうんだよね。

まくびーくん「どうやってぼくはこの世界で生まれたの?」

ゆりこおねえさん「それはね……」


そこで、ゆりこおねえさんがアルバムを出してきてくれてお話してくれたんだ。




まくびーくんができるまで

下絵


ゆりこおねえさん「立体になる前にまずはイラストを元に、パーツの位置の修正・調整。細かいところまで直してもらったのよ」

まくびーくん「これがぼくの元になったんだね! 次はどうなったの?」



素材確認


ゆりこおねえさん「次は表面の生地を決めたのよ」

まくびーくん「今と色が少し違うね!」

ゆりこおねえさん「そうそう! 工房の人と相談して最終的に変更したの」

まくびーくん「その後はどうなったの?」

ゆりこおねえさん「次は工房で立体にする作業よ。実際に工房へ行ってきたのよ」




ゆりこおねえさん「ここがまくびーくんを作る工房よ」

まくびーくん「かなり広いね!」




ゆりこおねえさん「ここでたくさんのキャラクターたちを日夜生み出しているんだって。工房の職人さんってすごいわよね。置いてあるキャラクターたちはみんな可愛くて、ついウインクしちゃったわ」

まくびーくん(……なんでそこでウインク?)







ゆりこおねえさん「まくびーくんが! つい叫んで駆け寄っちゃったわ」

まくびーくん「興奮しないで」

ゆりこおねえさん「ただ、ぽつんと胴体と頭が置いてある光景がなんとも忘れられないの」

まくびーくん「シュールだね!」


まくびーくん「わ! まだ白いね!」

ゆりこおねえさん「思ってたより大きくて存在感があって、『実際にまくびーくんがこの世界にいる!』って感動したわ。なんか違和感があったけど」

まくびーくん「触覚が無いことに気づいて!」













ゆりこおねえさん「後ろはこんな感じ。丸みのあるフォルムがポイントよ! 頭の後ろには、なんと暑いときに便利なファンが付いてるの。最先端の技術を使ってるなんて感動しちゃった!」

まくびーくん「そこまででもないと思うけどね!」




ゆりこおねえさん「真っ白な芯材は発泡スチロールなの。ここから、生地を上から着けていく作業よ。この段階で、着心地やパーツの位置を調整したら次の工程へ進むの」

まくびーくん「どれくらいかかったの?」

ゆりこおねえさん「2週間くらいかかったわ。すごく待ち遠しかった」




ゆりこおねえさん「アトリエを見渡してみると…カラフルな生地がいっぱい。つい全部広げてみたくなるから、困ったわ」

まくびーくん「それはやめて」




まくびーくん「この作業台は大きくない?」

ゆりこおねえさん「大きな着ぐるみを作るから、生地を縫うのにこれくらいの大きさが必要なの」




まくびーくん「これは何?」

ゆりこおねえさん「まくびーくんのこれまでの試作を見せてもらったわ。何度も何度も試してもらったのよ」

まくびーくん「いっぱい時間がかかったんだね」




ゆりこおねえさん「こっちは大きなプリンターよ。市販にない色や柄をプリントするために使うんだって。手のオレンジ色はこれを使って作った特製の生地なのよ」

まくびーくん「すごくこだわってるんだね! 触覚もここで作ってもらったの?」

ゆりこおねえさん「そうよ。原型の仕上がりはこんな感じになったの」



ゆりこおねえさん「だいぶもう出来上がってきたでしょ!」

まくびーくん「いよいよ今のぼくに近づいてきたよ!」

ゆりこおねえさん「完成前に修正をお願いして少々変更してもらったわ」




ゆりこおねえさん「ほら、こんな感じ」







ゆりこおねえさん「ん? 前とそんなに変わってない、なんて一瞬思っちゃったわ」

まくびーくん「……よく見たら違うよ。チークや触覚の角度が違うね!」

ゆりこおねえさん「完成へ向けて細かく直してもらって……ついに完成!
こうしてまくびーくんが誕生したの。最後まで細かいところまですごくこだわって作ってもらったのよ 」

まくびーくん「わー! こうやってぼくが生まれたんだね! いっぱい動き回れて楽しいよ!」

ゆりこおねえさんは説明が終わると、アルバムをパタンと閉じた。

まくびーくん「すごいいっぱい写真を撮ってるね! ゆりこおねえさんありがとう!」

次はゆりこおねえさんと散歩に行ってみんなと会えるのがすごく楽しみだよ! 

とってもとっても楽しみ!!


■まくさんぽシリーズ一覧
第1回「着ぐるみ工場を見学しよう!」>> 第2回「下北沢で舞台を観よう!」>>

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